>> 今週の特集「あゝ美しき警察押収物の世界」

あまり知られていない「県鳥」とやらを鑑賞しようの会

企画
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【県鳥】

あまり知られていないが、各都道府県には県鳥というものが制定されている。

郷土を代表する鳥として、1963年に第1次保護事業計画の一環で県鳥選定を行ったことに始まる。

 

福岡県の県鳥
ウグイス

しかし、筆者は福岡県で暮らして長らくだが、福岡県の県鳥がウグイスだということをマジで今知った

これは単純に福岡県のやる気が皆無なのか、どこもそんなもんなのかの判別はつかない。

 

どちらにせよ、せっかく制定した県鳥の認知向上として、当記事で特徴ある県鳥の紹介を行いたい。

ではいく。

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全県鳥、入場!

可愛い系

栃木県
オオルリ

可愛さの権化みたいな栃木県はオオルリ。

姿もさえずりも美しく、コルリ・ルリビタキと共に「青い鳥」御三家の一つ。

ウグイス・コマドリと共に「日本三鳴鳥」の一つでもある。肩書き多いな。

謎に肩書きが多いオッサンたまにいるよね。やたら色んな種類の名刺持ち歩いてるオッサン。オオルリはそんな鳥。

 

 

奈良県・愛媛県
コマドリ

可愛いけど県鳥って被りOKなんだ。

先述した「日本三鳴鳥」の一つ。オオルリの2Pカラーみたい。

コマドリという名前は、「ヒンカラカラ」と囀る鳴き声が馬(駒)のいななきのように聞こえることが由来。ヒンカラカラ?

 

 

和歌山県・大分県
メジロ

目の周りが不自然に白すぎるメジロちゃん。これが自然の産物なのが驚き。

室町時代からもうメジロと呼ばれていたらしい。春告鳥としてウグイスとよく勘違いされる可哀想な存在。

メジロはお互いに押し合うようにぴったりと枝に並ぶ習性があり、「目白押し」はこれに由来する。

 

 

山梨県・福岡県
ウグイス

ホーホケキョ代表で「日本三鳴鳥」の最後の一角。一夫多妻制を敷く生意気な鳥。

東京都・鶯谷の地名は、大昔に京都の皇族が「江戸のウグイスは訛ってるわ」とか言い出して京都から3,500羽のウグイスを取り寄せて放鳥し、満足してウグイスの名所となったという逸話が由来。

まぁまぁぶっ飛んだあたおかエピソード。

 

 

山形県・鳥取県・長崎県
オシドリ♀

その身一つで三県を任されている絶賛ブラック労働のオシドリ。ちなみに♂も後で登場する。

仲が良い夫婦を「おしどり夫婦」と呼ぶが、実際は冬ごとに毎年パートナーを替える事が判明している。救われない。

抱卵はメスのみが行い、育雛も夫婦で協力することはない。とにかく救われない。

多分Twitterで愚痴吐きママ垢として活躍してる。旦那デスノートとか使ってそう。

 

 

佐賀県
カササギ

上だけカラスと思ったらカラス科だったカササギくん。哺乳類以外で初めてミラーテストをクリアした頭脳明晰くん。

ハンガーや針金などで巣を作るので、たまに停電を招くことがある迷惑な奴でもある。

オシドリとは違い、つがいの関係は一生続く。真のおしどり夫婦は、カササギだった。

 

 

神奈川県
カモメ

終電逃した時みたいな顔してる。

幼鳥の斑紋が「籠の目(かごめ→カモメ)」のように見える事が名前の由来。

よく窓にぶつかってくる馬鹿なので、イギリスでは『お人好しでだまされやすい紳士』のことをカモメと呼ぶ。日本で言うところのカモ。

 

カッコいい系

石川県
イヌワシ

天狗のモデルとも言われるイヌワシ先輩。ウサギが大好物で、調子良い時は子ジカを襲うこともあるバーサーカー。

イヌワシの「イヌ」は『劣っている、下級』の意で、ワシやクマタカなどに比べ尾羽が矢羽としての価値が低かったことに由来。尾引っこ抜かれた上にランク下扱いされて不憫。

たった500羽ほどしか生息しておらす、スーパー天然記念物。

 

 

兵庫県
コウノトリ

メジャーな名前とは裏腹に、こちらも2,000羽ほどしか生息してない絶滅危惧種。

コウノトリってこんな鋭い眼光してたんだ。隻腕の居合の達人ぽそう。

ちなみに、ヨーロッパでお馴染みの「コウノトリが赤ちゃんを運んでくる」は実は近縁種であるシュバシコウを指す。コイツの手柄じゃないです。

 

 

鹿児島県
ルリカケス

奄美大島あまみおおしま加計呂麻島かけろまじま請島うけじまのみに生息する固有種。ガチャで言うSSR的なアレ。

カラーリングが渋くてカッコいい。どことなく南国っぽさもある。

よくマングースにやられてる被害者でもある。マングースが強いのかルリカケスが雑魚なのか、果たして。

 

 

宮城県
ガン

羽ばたく姿に荘厳さすら漂うガン。肉はめっちゃ美味しいらしい。

兼好法師の随筆『徒然草』にて、「天皇専用の調理場の棚には最も品位の高いキジしか置いちゃダメだけど、ある日ガンが置かれてた。なのでめっちゃ怒った」というしょうもないエピソードがある。

明確にキジの下だと認識されている哀れな鳥、それがガン。

 

ちなみに、ガンを図案化した日本の家紋はアホみたいで面白い。

「二つ雁金かりがね」と言うそう。柴田勝家はこれだったらしい。え。

 

 

岩手県・岡山県
キジ

位の高い方です。国鳥でもあるエリート。最大手昔話「桃太郎」主要メンバーの一角。

おいおい設定盛りすぎだろ。なろう系主人公か?ちなみに鳥なのに飛ぶのが苦手というダサ可愛い面もある。ちゃんと隙も作って人気取りも完璧か?

女性がウンウンをする時は隠語で「お花を摘む」と言うが、男性は実は「キジを撃つ」と表現する。さっそく今日から使ってみよう。

 

 

富山県・長野県・岐阜県
ライチョウ

特にカッコいい印象はなかったけど、写真の構図が「貴方とは決勝で会いましょう」みたいな感じでイケてたのでノミネート。

抱卵の時期には、メスは通常の10倍ほど大きなウンコをするパワフルさをもつ。

江戸時代までは“火難・雷難避け”の信仰の対象として保護されていたが、明治になるといきなり乱獲されまくって激減したという歴史に翻弄された鳥。

 

 

愛知県
コノハズク

カッコいいけど鳥というより猛禽では?反則スレスレのコノハズク氏。

「ブッ ポウ ソウ」と鳴くので「声の仏法僧(ブッポウソウ)」と言われているが、ちゃんと別に『ブッポウソウ』という鳥がいる。

これは長らく『ブッポウソウ』が「ブッポウソウ」と鳴くと勘違いされていたので、「ブッポウソウ」と鳴くのがコノハズクと判明した際「ブッポウソウ」は『ブッポウソウ』じゃなかったと混乱を招いた。

意味わかんねーけど本当なんです。信じて。

 

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長い系

秋田県・群馬県
ヤマドリ

尻尾が長い!それしか言うことがない!

年老いて尾が十三節になったヤマドリは人を騙したり、また夜に人魂のように光るなどの伝承がある。猫又的なお話。

長野県に伝わる「八面大王」という鬼を坂上田村麻呂が退治する物語では、『三十三節あるヤマドリの尾羽で作った矢でなければ鬼を退治出来ない』という描写がある。

勝手に設定されて尾引っこ抜かれるヤマドリ可哀想。

 

 

静岡県
サンコウチョウ

より長い!それしか言うことがない!

ツキヒーホシ、ホイホイホイ」という鳴き声が『月・日・星』と聞こえることから、三光鳥と呼ばれている。

ホントにそんな鳴き声なの?知らねーからって適当コイてない?

(※後ほどちゃんと聞いてみたら、うん…まぁ…そうかも…?くらいの温度感でした)

 

 

東京都
ユリカモメ

妙に不安になる足の長さ。

子供が成人を迎えたパパくらい朗らかな顔つきだけど、かなりなんでも食べるので人の食べ物や売られている魚を横取りすることもある凶暴な輩。

ゴミも漁るので競合相手のカラスとよく喧嘩するらしい。パパは元ヤンだった。

 

ヤバい系

広島県
アビ

煽り運転で撮影された犯人みたいなヤバさがある。夕方の全国報道ニュース顔。

かつて瀬戸内海・斎島いつきしまではアビを利用して魚を獲る「アビ漁」が行われていて、大切に扱われていたそう。でも見た目はヤバい。

 

 

新潟県
トキ

激ヤバのペスト医師。

今じゃ激レア鳥だけど、江戸時代では田畑を踏み荒らす害鳥という認識だった。

昔、ある男が神社を建てることになり、途中でお腹が空いたので農民に握り飯を所望したら「下手糞な大工にはやらん」と断られてしまったため、怒って杉材で鳥をかたどり、それに田畑を荒らさせた。その鳥がトキであるが、彼は怒りのために鼻を開けるのを忘れてしまい、そのためトキの鳴き声が鼻声になってしまった。

という全く訳わからんエピソードがある。

 

 

徳島県
シラサギ

顔が鋭角すぎる。あとトイレの排水パイプくらい首曲がり散らしてるのが冷静に考えて怖い。

そんなシラサギだが、実は「シラサギ」という鳥はいない。

ダイサギ・チュウサギ・コサギの総称がシラサギと言うだけ。存在すらも不明瞭な鳥、それがシラサギ(写真はダイサギ)

 

 

埼玉県
シラコバト

パッと見可愛い感じがあるが、一切ハイライトがない漆黒の瞳から闇深さが伝わってくる。

近所でも評判のパパ(最近子供が成人を迎えた)だけど実は殺人鬼だった、みたいな。

2019年に公開された映画『翔んで埼玉』では、東京都民に紛れ込んだ埼玉県民を判別するためにシラコバトが描かれた草加せんべいを踏み絵として使うというくだりがある。

なにそれ。

 

 

山形県・鳥取県・長崎県
オシドリ♂

見た目の全てが絶対的にヤバすぎる。

とにかくヤバい。本能がコイツに関わってはいけないと全力で警鐘アラームを鳴らしてくる。毎晩夢にお邪魔してきそう。

 

メスのオシドリはあんなに可愛かったのに何故?これじゃあ美人妻にDVしまくる終わった旦那じゃんこれ。肩にトライバルタトゥー入ってるタイプの旦那じゃん。

オシドリは樹の穴に巣を作ることが知られていたが、孵化した雛がどうやって地表に降りるのかは長きに渡って謎であった。しかし後に、雛は自分で巣から地面に飛び降りることが判明した。

なんとも読み応えのないエピソード。

 

捕らわれてる系

宮崎県
コシジロヤマドリ

【悲報】宮崎県の県鳥、お縄に。

県鳥を捕らえるな。

 

県鳥の選定基準

どうやって県鳥が選ばれたかと言うと、

  • 県民からの公募
  • 郷土や歴史に関わりある鳥

の大体2択らしい。

福岡県のウグイスなんかは公募で、広島県のアビなどはまさに文化的に地域と密着した鳥である。

 

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残りの県鳥ざっとまとめ

北海道
タンチョウ

国内の野鳥では一番デカい。

 

青森県
ハクチョウ

実はコクチョウもいる。

 

福島県
キビタキ

ツクツクボウシに似た鳴き声をする。

 

茨城県・熊本県
ヒバリ

『揚げひばり』という楽曲がある。

 

千葉県
ホオジロ

カッコウに托卵されることがある。

 

福井県
ツグミ

どこにでもいる鳥。

 

滋賀
カイツブリ

ブラックバスに雛が食べられることも。

 

京都府
オオミズナギドリ

飛ぶのが苦手。

 

三重県
シロチドリ

特になし。

 

大阪府
モズ

カッコウに托卵されることがある。

 

島根県
オオハクチョウ

毎年アイスランドから日本までやってくる。

 

山口県
ナベヅル

特になし。

 

香川県
ホトトギス

お馴染みの句が3つあるが、本人らが実際に詠んだ句ではない。

 

高知県
ヤイロチョウ

ルアーみたい。

 

沖縄県
ノグチカラ

英名の「Pryer’s」は本種の記載にあたり標本を提供したヘンリー・ジェームズ・ストヴィン・プライヤーさんの名前から。長い。

 

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おわりに

いかがだっただろうか。

お住まいの地域の県鳥に、少しでも愛着が湧いていただければ本懐である。

 

それでは最後に、栃木県はオオルリの鳴き声で結びと代えさせてきただきたい。

 

 

(実際に聞いたらやっぱり、まぁ…うん…そう言われるとそうかも…くらいでした)

おわり。

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