>> 今週の特集「あゝ美しき警察押収物の世界」

あゝ美しき警察押収物の世界【陳列展覧会のご案内】

企画
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警察が会見を行う際の、押収品の展示方法がスゴすぎることが度々ネットで話題に上がる。

そのあまりにも美しい陳列っぷりに、「県警には並べ師と呼ばれる役職が配置されているのでは?」という噂が出たりとか出なかったりとか。

今回、そんな並べ師達の偉業をまとめたので、警察押収物の陳列展覧会を開催する。

 

ではいく。

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平面展示の作品 <16作品>

<千葉県警の作品>

まずはレジェンド、千葉県警の傑作から。

ブラジャーとパンティーを丁寧に振り分けた後、一寸の狂いもなく等間隔に並べている。

更に、下着を色味のグラデーションで整列させることで高い芸術性も表現。一躍話題に。

 

 

<愛知県警の作品>

続いて愛知県警。

千葉県警にならい、ややコンパクトながらもグラデーションソートの技法を用いている一作。

また、奥に掛けてあるキャミソールもシンメトリーに配置され、安定感のある美しさを魅せている。

 

 

<神奈川県警の作品>

やや粗さが目立つ、神奈川県警。

整列は及第点だが、色味の配置が少しバラけている印象だ。

しかし、陳列に対する努力は伺えるので今後に期待したいところ。

 

 

<愛媛県警の作品>

千葉県警のアートと比べると、その差は誰が見ても歴然。

色味はもちろん、整列までものっぺりとしており、ここからは並べ師の“声”が全く聞こえてこない。

愛媛県警にはもっと頑張ってもらいたい。

 

 

<千葉県警の作品>

整列の美しさは、下着以外でもとどまるところを知らない。

ブルーシートに乗ったホワイトの上靴たちがとても鮮やかに映えている。今にも踊りだしそうだ。

配置にバラつきが見られるが、これは恐らく被害校ごとに振り分けているためであろう。

 

 

<岩手県警の作品>

こちらは岩手県警。

色味にまとまりはないものの、ランダムに配置されていることで、まるでモザイクアートのような不規則性のある美しさを内包している。

 

 

<栃木県警の作品>

左向け、左。

日本体育大学が披露する集団行動のような、規律ある厳格さと風格を感じる逸作。

もはや当然のようにカラーを分けた見事な配置となっている。

 

 

<警視庁の作品>

陳列物が銃ともなると、より厳かな雰囲気となる。思わず襟元も正してしまった。

各銃の中心ラインで揃えられ、サイズも上から順に大きく並べている印象を受ける。

ていうかまず所持しすぎ。この犯人。

 

 

<警視庁の作品>

整然と配置されたスクエアの数々。

まるで富裕層が集うカジノテーブルのよう。傍らにはディーラーが佇んでいそうだ。

ちなみに余談だが、<警視庁>は要するに東京都警のことだ。

 

 

<神奈川県警の作品>

整然と配置されたスクエアの数々も、ここまで来ると壮大さを感じる。

こちらも上靴と同じくブルーシートに乗ったホワイトが映えている。やはりカラーリングも意識しているのだろうか。

ていうか密輸しすぎ。もう牢から出すな。

 

 

<大阪府警の作品>

そもそもこんなもん盗むなよ、と言いたくなるが、大阪府警の努力が見受けられる力作。

カラーごとにグループ化もされており、配置の難しそうなサドルの手綱を見事に握っている。

 

 

<警視庁の作品>

東京が本気を見せてきた。

大阪府警の作品に比べると、その差は一目瞭然。寸分も違わずグラデーションソートで配置され、更には計算された角度で見栄えも意識。

現代アートとして美術館に飾られていても何ら違和感がない。

 

 

<岐阜県警の作品>

証明写真機のカーテンを100枚以上盗むという何とも突飛な事件。

その奇抜さあまり、岐阜県警に出来ることは20枚程度をただ漠然と並べるだけであった。あと80枚もあるというのに。

犯人よ、なぜ盗むんだ。

 

 

<千葉県警の作品>

だから何でこんなもん盗むんだよ。

袖の紫色をいかに美しく見せるか、という創意工夫が感じられる。

たたみ方一つで大きく印象が変わる衣類を、上手くまとめあげた千葉県警の手腕が光る。

 

 

<兵庫県警の作品>

年賀状を盗みまくるという怪事件に対し、兵庫県警はおめでたさ全開の配置で対抗。

犯行を重ねた犯人の動機は、「寂しさを紛らわすため」だった。めでてーとは裏腹に悲しすぎる事件だった。

 

 

<福岡県警の作品>

用途・形状別に見事に並べられた盗品の数々は、さしずめ戦国武将の勢力図のよう。

世はまさに群雄割拠、跳梁跋扈の時代。遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ。我こそは天下人なり。

あ、このベトナム人どもは国外追放で。

 

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立体展示の作品 <16作品>

<栃木県警の作品>

まずは冒頭で見せた、栃木県警によるレジェンド作品。

平面と立体を組み合わせ、シンメトリーで優美と緻密を表現している。

積み上げられたボールはまるでピラミッド、交差したバットは権威性を示した紋章のようで、プトレマイオス朝時代の古代エジプトの風景を連想させる。

 

箱に入った新品のボールは、縫い目まで綺麗に揃っている。

ここまでくると、栃木県警の「陳列」に取り憑かれた猟奇性と狂気性を感じざるを得ない。

 

 

<京都府警の作品>

次は京都府警の作品。

手前から小・大ときて、更に奥に小を置くのはなかなかの胆力が必要だ。

カメラマンの技術もあるが、重なったレイヤーのような複層的で美しい一枚となっている。

 

 

<鹿児島県警の作品>

それに比べると、鹿児島県警はただ並べただけ、という軽薄な陳列だ。

この作品からはテーマ性やコンセプトが感じられない。

【2023/3/28 追記】
読者様より、こちらの作品は製造元への配慮のため、フィギュアの顔を隠した措置が取られていると指摘がありました。細やかな気配りを見落としておりました。鹿児島県警に対しての非礼をお詫び申し上げます。

 

 

<奈良県警の作品>

奈良県警も、もうひと押しの努力が欲しかったところ。

平面的なシールを立体風に見せた、奥の陳列は創意性が素晴らしい。

ただ、キャラクターごとのグループ化や、奥は柱メンバーだけで統一する、などまだまだ出来ることはあったはずだ。

 

 

<茨城県警の作品>

力強さ溢れる、茨城県警の作品。

シンプルに左右に置かれたマネキンが、まるで四天王のような存在感を放っている。

貴様の実力を認めよう。主はこの奥でお待ちだ、とか言ってきそう。

 

 

<警視庁の作品>

もうこれコスプレショップだろ。

会員制じゃん。会員登録はこちらでご記入ください、の台もあるじゃん。

 

ちなみに引きで見ると、ツイスターゲームとスクール水着も置かれていた。

もうこれそういう店だろ。そりゃ会員制だわ。公にするな。地下に潜っとけ。

 

 

<福岡県警の作品>

福岡県警の迷いが見える一作。

と、とりあえず真ん中に置いとくか、という苦慮があったのだろう。

私であれば平面に置かれている全身タイツもマネキンに着させ、2体を左右に配置することで阿吽像のような構図で陳列を行う。

また、平面と立体で高低差が大きい押収物なので、できれば斜めのボードを用意して衣類を飾ることで視覚的な安定感を保ちたいところ。

 

 

<警視庁の作品>

もうこれジャニーズの物販ブースだろ。

少しばかり煩雑に貼られた写真が、ブース感をより高めている。

見切れピンクのガチャポンが、おめでたい感じも出ていて良い。犯罪ではあるが。

 

 

<静岡県警の作品>

もうこれデパートの物産展だろ。本館8Fの催場フロアとかでやってるやつだろ。

長机2枚を使用した贅沢かつ大胆な配置ぶり。立体的に見せる配慮も健在。素晴らしいの一言。

あと、普通に「おさしみわかめ」が気になっている。

 

 

<三重県警の作品>

押収現場の息遣いをそのまま表現したかのような、三重県警のテクニカルな陳列。

物干し竿ごと持ってきた剛腕ぶりに、思わず舌を巻いてしまった。

 

 

<愛知県警の作品>

陳列界隈では話題になった愛知県警の作品。

こちらも麻雀屋からそのまま持ってきたかのような牌の積み方が印象的だ。

 

更に、よく見ると手牌の役が国士無双の上に十三面待ちとなっている。

徹底した遊び心を感じる、何とも粋な陳列ではないか。

 

 

<福井県警の作品>

夢に出てくる理想のトイザらス。

ご丁寧にパッケージから車両を取り出してセットで配置し、一部は斜めに置くことで、見栄えを意識した陳列であることが伺える。

正に子どもが狂喜乱舞するコーナーである。

 

 

<栃木県警の作品>

ロードサイトにあるブリヂストンだ。

中央に向かって高くなる積み方、最上部のタイヤを縦に配置しホイールを見せることでブラック×シルバーのコントラストが煌めく会心の出来。

これは並べ師の中でも「プロ」臭をより感じる陳列。

 

 

<栃木県警の作品>

奥に行くにつれ段が上がっていく構造の陳列。まるで棚田のような美しさだ。

縦書きの橋名板は左右にまとめることで、シンメトリーも意識している作品。雅な雛段飾りといった印象も受けられる。

あとこんなもん盗むな。

 

 

<大阪府警の作品>

その特殊性で大きく話題になった事件。大阪府警の手腕が試される。

過度な装飾はせず、デザインが異なる2種だけ右端にまとめた引き算の陳列だ。

スーモには余計な飾りはいらない、ということか。

 

主張が強い大阪らしからぬ、小粋な演出であった。素晴らしい。

いよいよ、次の作品で展覧会も終幕だ。

 

 

 

おい大阪。

返せよ、さっきの言葉。

 

なぜ押収物を綺麗に陳列するのか?

なぜこういった押収物や証拠品を綺麗に陳列するかは諸説あるが、

  • 被害者、マスコミへの配慮
  • 犯人に恥をかかせることでの二次犯罪の抑止

が主な理由だそうだ。

また、陳列の多くは事件を担当した若手捜査員が行うらしい。並べ師は、若手捜査員だった。

 

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おわりに

当然のことながら、本記事は犯罪の助長を目的としたものではない。

大いに笑っていただき、恥をかかせて犯罪抑止に繋げてもらうことを願っている。

 

それでは最後に、押収する警察官から飛び出した名言で結びと代えさせていただきたい。

 

 

 

犯罪、ダメ、ゼッタイ。

おわり。

 

追記

何故かブラジルの配信者さんにこの記事が取り上げられていました。

並べ師、海を渡り南米の地へ。

 

コメント

  1. ほげ より:

    岐阜県警の真面目さと投げやりさが光る「証明写真機のカーテン盗難事件」(証明写真 カーテン 盗難 あたりででます)も是非。四角いカーテンを途中まで広げて「これあと100枚あるの!?無理!!」となったあたりが良いです。

  2. こるね より:

    鹿児島県警の作品は酷評されているが、看板に「魔改造」と書いてあるあたり、視聴者の想像を膨らませてくれるので嫌いではない。

  3. くま より:

    福岡県警のエヴァンゲリオンのマネキンは、NHK福岡放送局のカメラマンが足元からモデル撮影風に撮った映像が流されて、ニュース担当の中山庸介アナ(現:静岡放送局)が必死で笑いをこらえながら半泣きで原稿を読んでいたの思い出します。(笑)

    • tdk tdk より:

      福岡在住ですが知りませんでした。
      アナウンサーも仕事とは言え大変ですね。情報ありがとうございます!

  4. まっしぃ より:

    国士無双の左は緑一色に見えますね。