
挿絵を全てAIに作ってもらった「シンデレラ」です。
はじまりはじまり。
* * *

むかしむかし、あるところにシンデレラという女の子がいました。

シンデレラはやさしい娘でしたが、やさしかったお父さんが死んでしまってからは、

意地悪な継母と継母が連れてきたお姉さんたちに、いじめられていました。

「シンデレラ、お前なんてボロボロの洋服で十分よ」

「掃除なんて全部シンデレラにやらせちゃえばいいわ」

それでもシンデレラは、健気に一生懸命に働きました。

ある日のこと、お城から舞踏会の招待状が届きました。

「王子さまの結婚相手を選ぶそうですよ」
「まあ、楽しみ」

「どのドレスを着て行こうかしら」
ですが、シンデレラはもちろん連れて行ってもらえません。

「シンデレラ。お前は一人で留守番をしているんですよ」

お姉さんたちはおめかしをして、楽しそうに出かけていきました。

『私も、舞踏会に行ってみたかった』

お留守番をしていたシンデレラは、窓からお城を眺めるとだんだん悲しくなってきました。

『一目でいいから、王子さまにお会いしてみたい』

シンデレラはとうとう、しくしく泣き出してしまいました。

すると、そこに突然、不思議なおばあさんが現れました。

「おやおやシンデレラ。どうして泣いているんだい」
シンデレラはびっくりして言いました。

『おばあさんは、どなた?』

「私は魔法使いだよ。シンデレラ、舞踏会に行きたいんだね」
『でも、私にはドレスも馬車もないよ』

「よしよし。大きなカボチャを一つと、それからネズミを捕まえておいで」

魔法使いが杖を振ると、カボチャは馬車に、ネズミは馬に変わりました。

ボロボロだった洋服も、綺麗なドレスに変わっています。

「それから、このガラスの靴をあげましょう」
『まあ、なんて素敵なんでしょう。おばあさん、ありがとう』

「必ず、0時までに帰ってくるんだよ。0時の鐘が鳴ったら、魔法は解けてしまうからね」

『わかりました。必ず、0時までに帰ってきます』

シンデレラは何度もお礼を言って、出かけていきました。
* * *

シンデレラがお城に着くと、その美しさに周りの人はびっくりしてしまいました。

「なんて綺麗な人でしょう」
「どこかの国のお姫様かしら」

王子さまも、やさしくて綺麗なシンデレラのことをすっかり好きになりました。

「ぜひ、僕とダンスを踊ってください」
『まるで、夢みたいだわ』

王子さまとシンデレラのダンスに、みんなうっとりしています。
ところが、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。

『いけない、もう0時だわ。早く帰らないと、魔法が解けてしまう』

シンデレラは、急いでお城を飛び出しました。

『ごめんなさい。さようなら、王子さま』

「まってくれ。せめて、名前を教えておくれ」
王子さまは慌てて追いかけましたが、シンデレラはもういませんでした。

代わりに綺麗なガラスの靴が、片方だけ落ちています。

「ああ、これはあの人が履いていた靴じゃないか」
* * *

次の日から、お城の使いはガラスの靴の持ち主を探して、国中の女の子に靴を履かせて回りました。

ですが、靴は小さくて誰の足にも入りません。
「この靴を履けたら、王子さまと結婚できるのね」

意地悪なお姉さんたちも挑戦してみますが、やっぱり履くことができません。

「こんな小さな靴が、履ける人なんているのかしら」
「はあ、この家でもだめだったか」

するとお城の使いが、部屋の隅にいたシンデレラに気づいて言いました。
「おや、まだ娘がいるじゃないか。君もこの靴を履いてみなさい」

「まあ。シンデレラなんて絶対無理に決まっているわ」
「そうよ。そんな格好で恥ずかしいわ。おやめなさい」

継母とお姉さんは、そろってシンデレラを馬鹿にします。

ところが、シンデレラの足はガラスの靴にぴったりと収まったのです。

「まさかシンデレラが、あのお姫様だったなんて」

お城に招かれたシンデレラは、また王子さまと会うことができました。

王子さまはすぐに、シンデレラがあの時のお姫様だとわかりました。

「あなたこそ、僕が探していた人だ。どうか、僕と結婚してください」

こうして、王子さまとシンデレラは、いつまでも仲良く幸せに暮らしましたとさ。

めでたし、めでたし。



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