
今から遡ること10年以上前。
2chのとある板にて「おいしい紅茶抽出飽和砂糖水溶液の作り方」と題するスレッドが立てられた。

スレ主の>>1により、淡々と解説される紅茶抽出飽和砂糖水溶液の作り方。
その謎の液体にスレ民達は興味津々だったが、その工程の異様さに雰囲気は一変していく。

大量の砂糖が投入された空き瓶。
用意するものに書かれていたように、何と一度に300gもの量の砂糖を使用する。

そこに、高濃度に抽出した紅茶をゆっくりと溶かしていく。
外野からは「これは死ぬ」「見てるだけ唾液腺がおかしくなる」と画面越しからでも驚きと恐怖を隠せない様子だった。

出来上がったのは、まるでウイスキーのような琥珀色に輝く何か。
喉が焼けるほど強烈に甘い液体。それが「紅茶抽出飽和砂糖水溶液」の正体だった。

どうなの!どんな味がするの!?
気になって仕方がない!
紅茶抽出飽和砂糖水溶液を作ろう

というわけで作っていきます。
既に何人か先駆者もおりますが、古のインターネット文化の保全も当記事の目的の一つにあります。

使用する空き瓶はブラックニッカ クリアブレンドの小瓶。
できるだけ本家に忠実な形状でいきます。

で、まずはアホみたいに砂糖をぶち込みます。
見るのとやるのは大違いですね。この時点で「ほっほっほっほっほwこれヤベぇw」と思わず自然に口をついて出ました。

次に、箸などを使って砂糖を押し固めていきます。
こうすることで瓶内に空間を設け、更に砂糖をぶち込むためです。

たっぷり詰めたつもりでしたが、押し固めることによりこれくらい空間が発生しました。
ちなみにですが、今後の工程を考えると使用する箸は金属製のものがオススメらしいです。
(見辛かったので背景に手をいれる)
更に限界まで砂糖を詰める。
怖い、もう怖いよもう。

この時点で、砂糖はおよそ半分使ってます。
1回でこんな使うことある?俺の職業パティシエじゃねぇんだぞ。

続いて、紅茶を作ります。
150mlに対しティーパックを2個、約30分と長時間かけて抽出し、高濃度でかつ苦味を引き出します。

それでは、注ぎの儀。
いぃぃぃ~~~怖い怖い怖い。

ナニコレ。

ジュワワワ~~ンと溶けていく。
ちょっと楽しい。

どんどん注いでいく。
慣れてきたので、ガンガン攻めます。

ある程度注いだら、ここからは掻き混ぜも並行して行います。
ここで、金属製の頑丈な箸が推奨される理由が判明。

すん~~げ~~~固い。
砂糖の粘度が高すぎて、セメント掻き混ぜてるみたい(実際にセメントを掻き混ぜたことはない)。

これ、普通の木製の箸とかだとぶち折れるわ。
高粘度の砂糖混ぜる時はメタルスティックで!ライフハックねこれ!

ある程度混ざり終える。色きんめ~。
あれだけ押し固めて砂糖詰めたのに、まだこれだけの空間が生まれた。

ので、更に更に砂糖を詰めます。
ハッハッハッハ~もう笑っちゃうしかねぇ~~。


正気の沙汰とは思えぬ工程を繰り返し…。
しばらく馴染ませれば…。

完成!
紅茶抽出飽和砂糖水溶液!!

早速飲んでみましょう!
ガブ飲みはマジで危険なのでスプーンで掬ってと。

ふ~~~む。

あれ…意外と美味しい…?
ネト~~って甘いんだけど、鼻に抜ける濃い濃い紅茶の風味がかなり心地よくて、割と上品な味わいになってる…。
パンケーキにちょいと付けて食べたりとかしたら、普通にアリな感じかも…。

うん、美味い!ご視聴ありがとうございました!
高評価並びにチャンネル登録お願いします!それではバイバーイ!!

…。
(冒頭の説明部分)
ウイスキーのような琥珀色に輝く何か。
ウイスキーのような琥珀色に輝く何か。
(私が作ったもの)
ウイスキーの色では、全くない。
砂糖が溶け切っておらず、不純物となって濁っている。

これは分量配分を思いっきり間違えてしまい、元のレシピに比べ紅茶に対する砂糖の量が多すぎたためである。
飽和すぎてしまった。なので、この状態で放置しておくと…。

このように、砂糖が溶けた紅茶と溶け切れず沈殿した砂糖との境目が出来てしまう。
つまり、

この部分こそが、真の紅茶抽出飽和砂糖水溶液!
マジで凡ミスでマジですんません。

傾けると、このようにトロリと液体が動いている。
この部分こそが!真の!紅茶抽出飽和砂糖水溶液!!

困ったことに希少な液体となってしまった。
大事に頂かなければ。

近くで見てみると、確かにウイスキーそっくりの琥珀色。
果たして、先程と味の違いはあるのか。

ふ~~~む…

オ゛ッッッ!!!!

ッッッッッマ!!!!!!(甘)

さっきとぜんっぜん違う!
砂糖が溶け切って舌触りが良い分、甘みがダイレクトに来る!

なんだろう。なんだ、なんだろう。
水飴とメープルシロップを混ぜて、それを花山薫の超怪力で圧縮したみたいな甘さ。
すげー目が冴える。急にギンッギンだわ。確かに、ちょっと喉が焼ける感覚がある。ホントに甘さで喉って焼けるんだ。

や。
でもなんか癖になってくるな。何かが本能に訴えかけてくる。ヒヒヒ
おわりに

今回、用量は思いっきり間違えてしまったが、MAX紅茶を味わうことはできたので一応の成功としたい。

失敗の原因は、空き瓶のサイズ。
>>1が使ったものが350mlのものに対し、私が使ったのは180ml。およそ半分の大きさだ。

形状が似ているため、すっかり勘違いしてしまった。これにより、砂糖と紅茶の比率が大きく変わったのだ。
願わくば参考にするバカ挑戦者が出ないことを祈るが、万一なんの因果か作ることになった際は覚えておいてほしい。

余談だが>>1はこの液体を常飲しており、趣味のチェスで戦う時に服用すれば二十手先まで読めるほど集中力を発揮できるそう。
恐らく、糖分とカフェインを多量摂取することによる効能か。
忙しい時は350mlサイズで作ったものが2日で底を尽くとのこと。緩やかな自殺じゃん。

残りのMAX紅茶はここ一番で飲むとして、固形化した砂糖は紅茶を継ぎ足ししながら生涯をかけて処理していこうと思う。
食べ物、粗末ダメ。ゼッタイ。

用法・用量は適切に!
バイバーイ!



















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